ひとつの見方

遠のくドル100円台回復、円安が止まった訳

およそ一週間前2013年8月9日(金)のロイター記事
佐々木融 JPモルガン・チェース銀行 債券為替調査部長

遠のくドル100円台回復、円安が止まった訳

 

佐々木氏の指摘が的を得たものかどうかはもう少し時間が経たないと、何とも言えません。ただ、多くの点で参考になります。

「米国株価が下げる局面で何が起きるのか?」という視点と全くその逆のシナリオではどうかという視点が必要な気がします。そろそろ夏休みやお盆休みが終わり、日米欧ともに本格的にしごとに取り組むことになります。波乱に調整が入るかどうか、逆にまたまた波乱の深みにはまることになるかどうか?

(要旨)

ドル円の上昇はなぜ止まってしまったのか。

  • 第一に、経験則からドル下落を招く可能性が高いFed量的緩和(QE)縮小の見通しが強まっていること。
  • 第二に、外国人が円売りを積極的に行わなくなったこと。
  • 第三に、日本の期待インフレ率低下と円の実質金利上昇だ。

<経験則ではQE縮小は米ドル安・円高>

  • 一般的には、Fed量的緩和(QE)縮小➡米ドル高だが、経験上は逆の動き。
  • QE縮小・停止は過去の経験に照らすと、米長期金利が低下し、ドル下落につながる可能性が高い。
  • QE1、QE2とも終了後に米長期金利 は下落トレンドに入った。QE終了の思惑が高まると、思惑が思惑を呼んで、金利は上昇するが、その時点で債券のショートポジションが積み上がってしまい、 実際にQEが終了する頃にはポジションの巻き戻しから金利が低下し始めるのだと考えられる。ドルに関しては、QE2の時にはさほど明確な方向感は出なかっ たが、QE1の時は終了後に比較的大きく下落している。

<外国人の円売り攻勢はストップ>

  • 外国人投資家は、アベノミクスに期待、日本のインフレ率が上昇するなら円の実質金利が下がる、また景気が良くなれば国内投資家の対外投資も拡大すると見込み、円を売ってきた。
  • しかし、参議院選挙後も「第3の矢」は放たれず、国内投資家も本格的に為替リスクをとった形での外貨建て資産投資を行っていな いことが判明し、失望。

<円の急騰シナリオは考えにくい>

  • 5月23日の日経平均株価の暴落以降、日本の期待インフレ率が低下。名目金利の上昇、日本の実質金利は反発。
  • 世界経済が大きく崩れ、投資家のリスク回避志向が一気に高まらない限り、円の急騰も考えにくい。

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7/29(月)基準のEURUSD vs. USDJPY & Dow