前回のFOMCのQE維持で日本の金融緩和が打ち消されたのか、やや円高傾向になっています。佐々木融氏は円高と言っていますけど・・・。
米QE維持でクロス円上昇のからくり
佐々木融 JPモルガン・チェース銀行 債券為替調査部長(2013年9月19日)
18日FOMCの結果
- 第一に、量的緩和(QE)縮小は行われず、資産購入額は維持された。
- 第二に、政策金利の予想も1.03%➡0.86%まで下方修正。
- ※ 資産購入額の減少開始は12月17―18日のFOMCまで待たなければならない可能性が高そ うだ。
<米金利は低下、ドルは下落へ>
- FOMCで資産購入額の減少➡FRBによる債券購入額の減少➡債券価格下落=長期金利上昇
- 米長期金利のパタン:QE開始直前に低下(買)➡開始後に上昇(売)➡終了するかしないかくらいの時期から低下基調
理由:QEが債券市場に与える影響は、需給よりも期待による買いの方が強い
<対エマージング通貨では円安が進む可能性>
- 米金利低下、ドル下落の流れはドル円相場ではドル安・円高に寄与
- クロス円、特に対エマージング通貨ではむしろ円安方向への動き
- エマージング通貨・資産への投資はドルを調達通貨として行われてい
- 米金利が上昇➡調達コスト上昇➡「ドル売り・エマージング通貨買い」のポジションを手仕舞い(ドル買い・エマージング通貨売り)ことになる。
- ドルは最も弱くなることが予想されるのでドル円相場ではドル安・円高方向に振れる
- 円はエマージング通貨をはじめとするその他の通貨に対しては弱くなると予想されるため、クロス円は円安方向に振れる。
5月18日に最安値をつけたあとのUSDJPYとEURUSDの比較チャート
- EURUSDは上がEUR高・USD安
- USDJPYは上がJPY安・USD高
- 「USDJPYは100円を維持できない、他方、Euroは高値維持」というのが特徴的な現象。
- 株価が下げれば円高加速というのは変わらずです。ということは、バブルがはじけなければ、円安とも言えますが、どうなんでしょうね。
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