ひとつの見方

想定通り円高。後講釈。

アベノミクスの金融緩和という名の円安操作も一息つき、いよいよ円高に本格的に逆戻りしています。きょうは、アベノミクス轟沈シナリオです。それで、あしたは、アベノミクス行け行けシナリオを用意したい、と思います。

その日暮らしは変化に対して抵抗力をつけるものかもしれません。

一週間前に日本円はどこへ行く?でJPモルガン・チェース銀行の佐々木融氏の見方をサマリーしました。その記事は実際はさらに一週間前に遡るものでした。それからの2週間の間に、95円割れやアベノミクス破綻のはじまりを言うひとがチラホラ出てきました。

ものごとがうまく行かないのは、思った通りにならないからです。たいていの場合、いくつかのケースを想定して、どのような状況変化が起きても対処できるようにスタディし、戦略を立てているはずなのですが、状況が想定からかけ離れて外れ、シナリオが崩れた後、総崩れになってしまい、全然違う物語がはじまってしまうと、本当に狼狽するしかありません。「こんなはずではなかったのだが」しかし、そんなことはどこにでもある話です。

何しろ、上か、下か、どちらかしかない世界ですからね。

Fedがなぜ前回のFOMCのときにQE縮小を決めなかったのか、きょうになれば明確にわかることがあります。

上院は、下院を通過した暫定予算案について、29日には協議を行わず、30日午後2時ESTから審議を再開する予定。その際には、下院案から医療保険改革法延期に関する条項を削除したうえで、上院で先週可決された予算継続決議を再び差し戻すと見られる。ベイナー下院議長は今後、上院から差し戻されると見られる予算継続決議を承認するか、政府機関閉鎖を容認するかという、困難な決断を迫られる。(ロイター)

玉虫色の決着が図られないとは限らないものの、もはや限定的な政府機関閉鎖は不可避、と言われています。その先には、最大のリスクとして米国債デフォルトというシナリオもあるようですね。

それで、きょう、日経平均は14,445円 ▲304円、▲2.06%で引けました。15,000円割れです。為替もUSDJPYは98円割れです。

今朝、食品の値上げとあしたの消費税増税発表のニュースに思わず倒れそうになりました。いよいよ最悪シナリオの本格スタートです。

景気を良くする。いずれ賃金も上がる。アベノミクスだ。わたしを信じなさい。日本は買い時です。そう言われても、物価上昇と消費税増税で実質的な可処分所得が3%〜10%の間で確実に減ることになると、300万円の収入では30万円、500万円では50万円、1,000万円では100万円が最初からもらわなかったものと同じになります。つまり、その分が賃金なり、賞与で補填されないなら、アベノミクスはそうありがたいものではありません。大方のひとは浮き足立っています。単に計算に弱いか、財布の中など気にしなくていいひとはそれでもいいでしょう。しかし、95%のひとはそうでないはずなんですけどね。

まあ、自分の財布の中身を云々しても、期待が高ければ、その期待が本当に裏切られたとわかるまでは現実に引き戻されないものです。聞く耳を持ちません。でも、もう少し待ってください。年末くらいまででには誰もが、円安もアベノミクスも幻想だった、と気がつくことになるでしょう。いや正月か、小学校の入学式の頃までには。

米議会の混乱により、円高・米ドル安に急激に戻ってます。政府の想定は、元々、90円〜95円の間だったはずですが、95円を割り込んでしまえば、80円台が限りなく見えてくるのがマーケットというものです。105円に向かうかもしれないというトレンドの見方と、95円を割り込んだというネガティブさとは全く違う事態だからです。90円割れは、強烈な不景気と失業に見舞われるリスクのはじまりになります。また、1ドル70円の世界に逆戻りですの記念的な一日目になります。

そうやって考えると、前回のFOMCのQE継続は、日銀とFedの緩和策の競争で、Fedの後だしジャンケンの方が「緩和=米ドル安」に効果があったという経験知を積むのに役立ちました。日銀も金融緩和を継続するが、Fedも金融緩和を継続するなら、どちらが強いか。安い日本円よりもさらに米ドルは安くなりそうだ、となりたちまち円高になりました。

では、FedがQEをやめると決めた場合、「緩和の停止=米ドル高」となるかどうか。そこが問題です。米国の株価が崩れないようにFedは決定するはずですが、それは何も円安・米ドル高を保証するものではありません。実際、米国株価は、1987年のブラックマンデー以降、米ドル安によって上昇し続けてきたのですから、今回も円高・米ドル安になってしまっても何の不思議もありません。円高に引き返さざるを得ない状況に置かれるところにアベノミクスの弱さなり、いい加減さがあります。アベノミクス=成長=円安は幻想です。

ランダムに、2003年1月を基準にしたDow平均とUSDJPYを比べると、Dow+77%、USDJPY ▲18%になります。実際には円高になった分、日本円での利益はさらに目減りします。日本の最近の株価もそうなのですが、米国も同じで、米ドル安が株価を押し上げ続けてきたというのが事実で、多分、それが米国の基本的な金融政策だったです。

もちろん、円高になると見せて、実は100円を上回る円安にドンドン進むことはあるわけで、それは明日の楽しみということになります。どちら側にしろ、思い込みほど危険なものはありません。どっち方向もあります。マーケットにおいては、信念を持ったからと言って、役立つことはあまりありません。

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