ひとつの見方

円高におけるアベノミクスの有効性は?

円安を起爆剤にして日本経済の復活を狙ったアベノミクスは、円高に向かう過程では、その使命を終えてしまうものなのでしょうか?それとも、円高でも有効な施策なのでしょうか?

今のところ、円安と円高では、100円を維持できていない、という意味で円高に歩があるように見えます。今後、米国の金融緩和終了時期が先送りされ、米国経済の刺激策継続による失業率低下期待と株高維持が当面のFed政策になるなら、米ドル安・円高です。

アベノミクスの課題や脆弱さは、当初から円安政策により企業業績を好転させ、株価上昇を狙って来たところにあります。しかし、円安で浮かれ、踊っていてみたところで、ほかの政策が月並みで何十年も行われた経済政策とたいして差がないなら、アベノミクスは円高に飲み込まれる可能性が高いかもしれませんね。25年以上続いた円高・米ドル安トレンドを転換できたと考えるのは、少し思慮に欠けるかもしれません。それに、アベノミクスは材料で尽くし。マーケットはアベノミクスのおいしいところは食べ尽くした感があります。

そこで、直近の円高は6月15日 94.07円ですので、この日を原点にしてトレンドの傾向を見てみました。

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そうすると、先週末の終値で、EURUSDとUSDJPYのいずれも+2.37%の上昇となっていました。偶然の一致です。日本円は2.37%の円安、Euroは2.37%のEuro高です。言うまでもなく、基準日を変えれば、結果は変わります。

それで、Euroのトレンドを固定的にとらえたときのUSDJPYのシナリオを策定してみました。仮にEURUSDの値付けが適正だとして考えてみました。

  • ケース1:円安シナリオ
    Euro高・USD安は、米ドル安がEuroに吸収されている分だけ日本円に円安の跳ね返りがあってもいい。すなわち、USDJPYは売られ過ぎであり、あと2%程度の上昇があってもよい。つまり、100円/USDが現時点の本来価値になる。
  • ケース2:円高シナリオ
    EURUSDとUSDJPYは逆相関的な動きをするのが常なので、EURUSDの上昇分だけUSDJPYが下落して当然で、先週末の終値から▲2%の95.50円/USDが妥当。
    さもなければ、基準日の6月15日から▲2%の93円/USDになるのが妥当。

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ケース1の円安をサポートする考え方:

Fedの金融緩和継続は米国株価を破綻させなない働きをします。また、Q4はクリスマスシーズンに向けて消費が増え、景気の継続が株価を支えることが期待されます。よって米国株価は引き続き上昇することになり、リスク資産のEuroが買われEuro高、他方、アベノミクス効果により円安は必然的です。

米ドル安はEuroが吸収します。財政トラブル続きのEUこそ投資機会が大きく開かれているのですから、Euroは買いになります。そして、日本が円安で経済成長を持続することで、米国景気の持続やEUともシナジー効果を出し、世界的に行け行けになっていきます。

ケース2の円高をサポートする考え方:

一 番円高に効き目があるのは、Fedの金融緩和継続もそうですが、米国債の評価引き下げで、これは日銀の異次元緩和をたったの一回の引き下げで打ち消してし まいます。1月になれば、米国政府は債務上限の引き上げを再度議会と論じることになります。まだ、デフォルトリスクは去っていません。

確かに、クリスマスシーズンに向けて、米国株価は維持もしくは上昇する傾向があります。しかし、先週末、S&P500は最高値を更新しており、今年度末に向けて、株価がさらに上昇していけるかどうか、継続性に疑問が残ります。それは大きなチャレンジであり、ましてやあと3ヶ月間も高値にチャレンジし続けられ るかどうか、たいへん疑問です。Dow平均と異なり、S&P500は構成株式銘柄数も多いですから、米国はすでにバブっている可能性があります。

バブルがはじければ、円高・米ドル安は不可避です。

さて、今夜はどちらでしょうね。もちろん、それを決めるのはわたしではありません。それはマーケットのしごとです。そして、1ヶ月先のことは、まるで何もわかりません。

追記:

2時間足のチャートで見ると、USDJPYは上昇傾向、EURUSDは高値維持の状態です。このトレンドが継続すると読むのか、それともそうならないと読むか?まあ、どの道、マーケットが決めることですけど。

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