ひとつの見方

空売りでは儲けられない

金融緩和が続いている間、空売りでは儲けられない、というお話です。

米モメンタム株の空売り減少、度重なる失敗響く(ロイター)によると、米国では、金融緩和により株価は上昇してきたが、明らかに買われ過ぎ、高過ぎであるにもかかわらず、空売りをしかけたらさらに株価は上昇し、「空売りを試みた人々は、これまでのところ完敗だ。ある程度の空売りはまだ続いているはずだが、彼らは非常に慎重だ。決算発表後の相場調整に賭ける取引でさえリスクが高 くなった」そうです。

そうした銘柄のひとつがネットフリックス NFLX.Oで年初から260%上昇して$355、PERは105.48倍で同業他社の16.25倍とかけ離れています。適正価格は$50.04。明らかに買われ過ぎなのですが、空売り比率は5.5%と低調です。

「ある銘柄が馬鹿馬鹿しいほど割高だというだけでは、今後の下落を意味しない」として、空売りを仕掛けられないそうなのです。

IMG_0635日本で一番大きい鏡が発掘された平原遺跡 2013.10.19

日本の株価はPERが高く、20倍から25倍が平均になっています。高PERは人気が高いと言えばそれまでですが、まあ、どれもこれも人気が高くなったとき、本当はきっと異常の徴候が出ているのでしょうね。そんなとき言いたいことは、「業績や将来性がついてこない株高がどこまで長続きできるか?」ですよね。日本に限って、上げ過ぎということはないと思いますが、取引のの60%以上が外国人ですからねえ。

それで、ふと頭に浮かんだのは、個人の資金需要7年6カ月ぶり高水準に アベノミクスが牽引という日銀アンケート記事のタイトルでした。中身は読んでいません。これまで日銀も政府も、物価上昇=景気上昇だとして、金融市場にキャッシュをつぎこんできたのですが、借り手がいない、借り手の企業はすでに多くのキャッシュをもっており、投資先がない状態でした。ところが、この記事のタイトルは、日銀は個人の資金需要を増やすためにも金融緩和してきた、とも読めて少し楽しい気分になりました。借り手がいない中で政策の正当性を主張するのに、なんでもいいからポジティブなトピックスを絞り出したのは、ある意味、日銀・政府の金融政策の限界や破綻を暗示しているようで、またかという思いがしました。

IMG_0636756年、高祖山の斜面に怡土城(いと)が築かれた 2013.10.19

それでも、ロイター記事から学習しないといけないことは、中央銀行には逆らうな、という教訓です。それから、逆に、米国のものまねを日銀・政府がやっても二番煎じでうまくいかないというよりか、米ドル安が想定よりも速いスピードで進んだ場合、円高に切り返されてしまうか、インフレ・不景気に追いやられてしまう可能性が高い、ということです。去年までに円高は経験済みですが、これから先、インフレ・不景気は、増税、物価高、円安一服/景気減速、賃金上昇の挫折、消費低調と思わぬ魔のサイクルを描くリスクもあります。アベノミクスのツケを払う日が来たら、知らん顔はできませんし、暗い気持ちになります。

IMG_0638平原古墳は女帝の墓で卑弥呼ではと言われている 2013.10.19

それで、売買について考えると、日常生活の行動パタンは、「安かったら買い、高かったら買わないで現金を持っているか、貯金する」です。しかし、株式取引においては、「安かったら買い、高かったら売り」だけでなく、「高かったら売り、安かったら買い戻し」もあります。それで、時々、買われたことにより株価が高くなっても、それがロングによるものなのか、ショートカバーなのか見抜けず、失敗することもある訳です。

ええ、今はS&P500が史上最高値を更新しているのですから高過ぎでしょう。しかし、高過ぎだから暴落するということはなく、逆に、高いからさらに高くなるのがトレンドというものです。日本の株価は米国株価に連動するのですが、常に連動してはいません。隙をつかれたかのように下げます。逆に、米国株価は基軸通貨パワーを利用した米ドル安・他国通貨高により上昇を続けて来ました。

日本円は150円にはならないでしょう。でも、75円にはなるかもしれませんよね。76円は去年の2月のことですからね。アベノミクスで円安が安定的に続くかもしれないと考えるのは、幻想です。それに、たとえ円安が続いたとしても、円安が企業業績にネガティブに働かないと考えるのは、少し楽天的過ぎではありませんか?

IMG_0652平原遺跡は長い間歴史学者から疎んじられた 2013.10.19