つれづれ

徒然:Amazonの予測出荷の特許

これには驚かされました。本当に賢いひとがいるものです。

Amazonが「予測出荷」の特許を取得したそうです。注文が出される前に注文がありそうな場所(ひと)に商品を出荷 してしまい、途中で行き先変更するか、変更・キャンセルするよりかプレゼントした方が割安ならプレゼントしてしまうというのですからたまりません。

Amazonの購入者が多くなり、ひいきになってくると、特定の地域についてはAさんが購入しなくてもCさんかDさんは購入するような商品も多いでしょうし、化粧品のように一定の時間がたつと必要になるものもありますから、Amazonでは配送方法についていろんなオプションがあるのでしょうね。

少し前、Amazonは無人ヘリコプターで配送するアイデアも出していましたが、流通の改善についてあれこれ考えている専門の人がいるようです。きっと楽しいしごとでやり甲斐もあるでしょうね。しかし、そうしたしごとは毎日のことになると、端から見ると穀潰しに見え、「いったい何年も何をやっているの」になってしまいがちです。アイデアを出す活動と実現する活動は違いますからね。

そう言えば、商品企画部に飛ばされたとき、何とも不思議な体験をしました。目前のテーマは売れて儲かる商品コンセプト作りです。しかし、実際に商品の仕様を検討・決定し、開発するのは下流工程の部署になります。上流工程の商品企画部では、むしろ商品ポートフォリオ上での商品間の連携がいかに戦略的にすばらしく、競合他社よりもすぐれたものであるか訴求する方が重要になります。どこの会社の役員も自分がわかっているようなことを聞く耳はありませんからね。

それで、商品企画はいつも絵に描いた餅、美しいものの役立たずの紙切れ作りが重要なしごとになります。時々、競合他社のものが回覧されて来ますが、似たり寄ったりでした。競合から見ると、目くらまし、嘘っぱちですが、役員が喜んでくれるのが一番です。ある年、社長も絶賛する成果がでました。会社の重点方針が変わり、絵に描いた餅に集中投資することになりました。しかし、何年経ってもどんなめざましい商品も出て来ず、次々に従来商品の改善版が出て来ました。とてもひどい話ですが、まっとうな社員にとっては無謀な冒険をして会社を傾けるよりはましだったに違いありません。

もちろん、どこのだれも責任を取りません。それどころか、年々、知恵がついてきて、どう開発予算をぶんどればいいか、わかってきます。商品コンセプト自体には時間軸での信頼性が低いので、これだけお金があればこの商品コンセプトに基づく商品提供が可能と言えばいいのです。湯水のような予算が組織を動かし、ひとの心をねじ曲げて行きます。そして、5年もたてば、そんな馬鹿なことを忘れてしまい、元の普通の会社に戻ってしまいます。普通の会社ですから、iPhoneもiPadも生み出せないと改めて知ることになります。元々、意欲のかけらもなく、思想も哲学もないのですからやむを得ません。

スティーブ・ジョブスのように考えるのはたいへん結構なことです。問題になるは、スティーブ・ジョブスのような振る舞いです。それは多くの社員を苦しめることになります。もっとも、混乱とストレスはどの会社にも共通して存在するものです。それは根本的な問題というよりか、むしろ企業文化です。多くのひとは時間とともにそれになじんで一体になるものです。重要なことはそうした環境の中でどう戦うかではなく、どう生き残るかです。ものごとは流れに乗ってうごきますから、それを見極めることが重要です。しかし、だからと言って、黒を白と言ってしまうと、信頼の基盤は失われます。何かを変えるには、エネルギーが必要で、しかも永続的なエネルギーが必要です。自分がどこに向かっているか。そのポジショニングによってアプローチはそれぞれ変わります。答えの出し方はひとつではありません。