高速無線LAN IEEE 802.11ac

速ければ速いに超したことはない

1Gbps超の11ac無線LAN対応機が各社から発表されました。11acは、11nの450Mbpsよりも2倍から3倍速くなります。ただし、現時点では、PC/Macが11acに対応していませんので、11acの子機をつないで高速化を図ることになります。

価格は、リリース直後というこもあり、まだ高目ですが、そのうちにこなれてくるでしょう。

メーカーの触れ込みに同時に何台TVを見れると解説があるところを見ると、家の中には、まだ大量データを高速に処理したいニーズがTVくらいしかないのかもしれません。しかし、TVは地上デジタル放送と衛星放送で十分という考えのひとには、同じお金を使うなら、タブレット端末の方が優先どが高くなってしまい、11acは先送りになることもあるでしょう。

企業ユースで言えば、フリーアクセスの中にうなぎのように這いまわるイーサネットケーブルを取りのぞき、ようやく視覚的に管理できる時代に到達した感があります。それと、なんと言っても、将来性という点では、3Gbpsはとても魅力的です。もちろん、もう少し先の先の話になります。

プラスマイナスはいろいろです。本当に価格がこなれてきて、できれば現在使っている無線LAN機器が壊れてしまえば、無線LANも速ければ速いに超したことはありません。

製品名 スピード MIMO 価格
AtermWG PA-WG1800HP / NECテクニカ 最大1,300Mbps 3×3 1万9000円前後
AtermWG PA-WG1400HP / NECテクニカ 最大867Mbps 2×2 1万6000円前後
WZR-1750DHP / バッファロー 最大1,300Mbps 3×3 17,998円 @Amazon
WZR-1166DHP / バッファロー 最大867Mbps 2×2 14,260円 @Amazon

家庭で大量データにアクセスするニーズ?

現在、無線LANの主流は11n/gと11n/aで、100Mbps〜300Mbps、450Mbpsの速度です。なぜ無線LANだったか思い出してみると、少し昔、家庭内でも、100Mbpsを超えたあたりから無線LANの方がイーサネットケーブルよりも現実的で有効になってきました。有線だと、クライアントの台数が増えるに伴い、配線の煩わしさや維持・管理の問題が出てきました。なんと言っても、景観上の問題は電源ケーブルと同じくらい手に負えないものになってしまいました。

それでも、一度は有線イーサネットで1GBを使ってみたのですが、実のところ、家庭ではそれほど大きなデータを動かす用途がありませんでした。それに、100Mbpsとたいして変わらないという体感上の問題もありました。動かすデータもないのに、10倍の速さにならないという体感上の問題です。

ハードディスクの中で大きなものと言えば、PC/Macのバックアップ、インストール用のOSやアプリケーションをHDDにコピーしたもの、操作手引書、iTunes楽曲ファイル、デジカメで撮った写真・動画です。この中で、ここのところどんどん増えているものは、iPhoneやiPod Touchで撮った写真や動画です。大きいサイズのデータで共有する必要があるものがネットワーク上で行き来するデータのはずですから、高速無線LANの必要性は写真・動画・iTunes楽曲になるのでしょう。調べてみたら、筆者の場合、iTunes楽曲は4,000アルバムで400GB強でした。今後増え続けるとしても、1,000GB程度までなのでしょうか。この点、写真・動画はまだ20GB程度ですが、最近、写真の代わりに安易に動画を撮っていますのですぐに100倍くらいにはなってしまいそうな気がします。クラウドの有料化はそこらを見越しているのでしょうね。

ところが、テレビはインターネットで見る必要を全く感じません。ビデオに全チャネルを録画して、あとから好きな番組だけ見ればいいし、リアルタイムで直接見てもいいのですから、インターネットのニーズがないと言い切ってもいい気がします。しかし、もし何か困るとすると、映画をダウンロードして見たい(オンデマンドで映画を見たい)というのはありそうな気がします。仮にそうだとしても、少子化の時代にあっては、同時に何台ものTVに絵を映し出すニーズはそう多くないような気がします。二人暮らしであればなおさらです。

そうやって考えていくと、インターネットにアクセスして家庭の大量データをアクセスするニーズは、プライベートクラウドが簡単に構築でき、セキュリティや共有設定が簡単にできるツールやアプリに依存する、という思いがしてきます。大容量HDDと様々なタブレット端末・PC/Mac等はすでに利用できる状態にありますが、それらはインターネットを通じてApple、Google、Amazonなどのビジネスに寄与することに軸足を置いたものになっています。そちら側で確実にビジネスをこなして日々の糧を得ることはたいへん重要ですが、その軸足を変えることを基本戦略とすることも重要で、光のような「速さ」追求だけでは意味がないし、シリコンバレーには勝てない、という気がします。

Advertisements