Emobile Pocket WiFi 「GL01P」と「GL02P」の不幸

2012年の春、Emobile Pocket WiFi 「GL01P」は画期的な商品・サービスとして発売されました。そして、早速、もちろん深く考え抜いた上で、当時使っていたDoCoMo Xiではなく、Emobile Pocket WiFi 「GL01P」にピョンと飛びつきました。これは軽率と言えば軽卒、浅薄と言えば浅薄ですが、塞翁が馬でもありました。

事もあろうか、昨年末、消費者庁からEMOBILE LTEサービスが不当景品類及び不当表示防止法に違反するとして措置命令が出され、総務省からは広告表示の適正化を図るよう指導がされました。

2012年3月8日~4月14日の間に提示されたEMOBILE LTEサービスに関わる告知に「誤り」があることが判明したのです。要は、LTEを使えるようにするための基地局があるべき所になく、LTEルーター自体も75Mbpsに対応できるようになっていなかった、という内容です。
① 通信速度最大75Mbps(下り)
➡港区台場及びその周辺地域のみ75Mbps
➡そのほかは30Mbps
② EMOBILE LTEエリア 東名阪主要都市人口カバー率99%(2012年6月予定)
➡港区台場及びその周辺地域のみ

ソウルの南大門市場では「本物の偽物だよ」と偽物を売っているお店があります。これは、まあ、愛嬌です。しかし、Emobile Pocket WiFi 「GL01P」は、契約にあるものとは違うものだった訳で明らかに悪質です。中には、マーケティングの担当責任者や担当役員の責任の方がさらに大きな問題だと考えるひとも多いでしょう。

利用者にとっての問題は、仕様と明らかに違うものを買わされてしまったのだから、①契約の解除や利用期間における補償・賠償をどうしてくれるのか、②現在のサービスを継続する場合、一体全体どうしてくれるのか、という二点があります。当然、普通のあたり前の企業として、この問題には利用者が納得できる対応がされることでしょう。また、再発防止についてもあらゆる対策が打たれることでしょう。この問題に対する答えは、ある意味では明確であり、解決策がある限りそう心配するようなことではないと思われます。

ところが、仕様や規格に準拠したとしても、回線スピードの性能が出ない、遅い、スピードが安定しない等、ネットワーク環境に依存した性能の劣化に対する答えや、製品が持っているポテンシャル、たとえばファームウェア対応で100Mbps以上にも対応可能といったことについて答えは、だれも担保できないものです。それで、サポートセンターに電話しても、奥歯にものが挟まったような言い方でお茶を濁されるか、「できません」「保証していません」と素っ気なく突っ返されるかになりがちです。しかし、利用者としては、購入したあとにどうなっていくか、どのようにハードウェアやソフトウェアが維持・改善されるかがより重要です。逆に言えば、サービス提供者側には、それはロイヤルカスタマー作りのキーのひとつになります。

オーバートークやトリッキーな仕様提示でマーケティング活動をすることはまちがっています。しかし、販売後のサポート/メンテナンスにより商品力が維持されることは、利用者にとっても重要なことです。キャリアにとっての問題は、販売後のサポート/メンテナンスにかかるコストをどこから回収するかなのでしょうが、これには手がない訳ではありません。キャリアがまだ頭を100%使いきっていないので、あたり前のアイデアが浮かばないだけの話です。戦略検討が未熟であるため、真の競合差別化ができていないのです。

Emobile Pocket WiFiには多くの優位性がありますので、変なところでつまづきエネルギーを消耗しないで、きっちり先へ歩を進めてもらいたいものです。

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LTEルーターの通信速度 vs. 実用レベル

この12ヶ月間、固定電話回線をやめて電話は携帯電話に、データ通信はPocket WiFi GL01Pにして、身を以て本格的なモバイル通信のトライアルをしました。いろいろ学習しましたが、こと通信速度についてはやや感傷的な面を完全否定しきれないところにすっきりしないものがあります。

水を飲みたいとき、水道の蛇口をひねれば水が出て来るのでなければ少し困ったことになります。だからと言って、水道管が破裂したかのようにバシャッツと出て来ても、かえってコップに水をためにくく困ったことになります。もちろん、チョロチョロでは話になりません。

ずっと昔からキャリアやインタネットプロバイダーは通信速度の速さを売りにしてきました。はじめは、64Kbpsより128Kbpsが良く、256Kbpsはその4倍と売り込んでいた時代がありました。それがあっという間に50Mbpsになり、今では、LTEで100Mbps超のサービスも始まりました。そして、速いことはいいことだ、その分のコスト負担は当然受け入れるべきだ、と教え込まれました。

しかし、仕様や規格よりも重要なのは、実効速度と安定的に使えることです。キャリアの売り文句にはいつも負けてしまいますが、実際はどうなのかが常に重要です。

たとえば、Pocket WiFi GL01Pは売り出されたとき、下り75Mbps、規格上は112Mbpsまで対応と高々に謳っていました。しかし、実態は、仕様上でも30Mbps程度であったことが昨年末に判明しました。

しかしながら、この12ヶ月間を通じて言えることとして、そうした仕様と実際が違うことが固定電話回線をやめてLTEルーターだけにしたことに悪い影響があったかというとそうではありません。なぜかというと、LTEの恩恵に預かれたのは3ヶ月間だけで、残りの10ヶ月間はLTEの対象地域でないところで利用していたからです。

それに加え、はじめの3ヶ月間はNTTドコモのL-09CをLTEで使えたのですが、Pocket WiFiと比べて決定的に速いかというとそうとも断言できず、LTEはやや期待はずれでした。それで、基本的にはPocket WiFiに一本化してネットワークを組み利用してきました。

確かに3Gの42MbspとLTEの30Mbpsではどっちがどうかわかりにくいし、実際もそうです。また、NTTドコモのL-09Cにしたところで到底75Mbpsで動いている実感がしたことは一度もありません。それらは似たようなものでした。

むしろ、3G回線は通じているがインターネットプロバイダーのサーバーがおかしくなったり、LTEの対象地域になりはじめにときに起きた回線断の方が事は深刻でした。原因不明のお手上げ状態の間にも、金融市場はどんどん動いてしまうからです。ヘルプセンターが稼働していない9時前にこうした大問題が起き、たいへん閉口しました。全く、損害賠償ものでした

それから、もっと悲しいのは僻地に行ったときです。電波を拾えず、アンテナが1本立つかどうか。ソフトバンクが受信アンテナを建てはじめたときは、関係のないのに、なぜか資本参加に淡い期待を寄せ、うれしくなりました。

現時点では、Pocket WiFi GL01Pと無線LANでつないだときは1.8Mbps、USB接続したときは9.3Mbpsの実効速度が出ています。これがLTE 30Mbpsと75Mbpsの実力なのでしょうね。今にして思うと、NTTドコモのL-09Cが遅かったのは、利用者数との関係もあったのでしょう。

それと、LTEルーターの速度だけでなく、PC/Mac間のファイル転送やLANディスクとのファイル転送による無線LANのオーバヘッドは無視できません。有線のギガビット・イーサネットにするか、高性能の無線LANルーターを使ってネットのロードを軽減する工夫も必要です。

素人は素人なりの苦労がたえません。問題が見えてこないときも多く、したがって解決のためのアイデアがポンポン出てきません。寂しい限りです。高望みはしていないのですけどね。

補足資料:Windows 7 PCルーター化の留意点

1. メモ帳に次のコマンドを書き込む➡PC2Router.batという名前でセーブする。
この一連のコマンドを何度もたたくことになると面倒なので、.batファイルを作成し、ワンクリックで実行できるようにする。SSIDとkeyはクライアントが当該PCルーターに無線LAN続するときに使うもので、自分の覚えやすいものにし、かつセキュアなものにする。なお、DOSコマンドを1行ずつ叩いて実行したいときは、Windows PCのスタートメニューからコマンドプロンプトをクリック・実行すればよい。実行しないといけないコマンドはnetshではじまるものだけになる。

@echo off
rem ————————————————-
rem Windows PC to PC Router
rem ————————————————-
netsh wlan set hostednetwork mode=allow
netsh wlan set hostednetwork ssid=wifi-thinkpad
netsh wlan set hostednetwork key=thinkpad@1234 keyusage=persistent
netsh wlan start hostednetwork

各コマンドの意味:
1行目 Microsoft Virtual WiFi Miniport Adapter を有効化する。
2行目 SSIDを定義する。赤い文字を自分向けに変更する。
3行目 暗号化キー(パスワード)を定義する。赤い文字を自分向けに変更する。

※ PCルーター化を無効にするときはmode=disallowとする。
netsh wlan set hostednetwork mode=disallow

2. PC2Router.batをクリックして、一連のDOSコマンドを実行する。

設定できないときの対処の仕方
無線LANを利用したPCルーター化の場合、Wirelessが既存アダプタに自動的に接続になっていると、PCルーター化がうまくいかないときがあるので注意を要する。無線LANは自動接続しないようにプロパティを変更して置く必要がある(無線LANを使えない設定にしておくという意味)。
① PCルータ化がうまく行かないとき、簡単な対処方法は、上記のコマンドプロンプトPC2Router.batを実行する。
② LTEルーターをUSBに接続する。
③ LTEルーターのアダプタのプロパティを設定する。設定のしかたは、3.以下に示す通り。

3. Windows 7のアダプタの設定をする。

① アダプタのプロパティを開ける。アダプタは、ネットワークと共有センターの左側の「アダプタの設定の変更」をクリックして探すことができる。
② 共有タブをクリックする。
③ 「ネットワークのほかのユーザーに、このコンピュータの・・・」をチェックする。
④ ホームネットワーク接続の欄で有線LANのアダプタを選ぶ。この例ではE’Net。この欄に無線LANのアダプタを選択すれば、PCルーター化(無線LAN)になる。
⑤ その下の「ネットワークのほかのユーザーに、共有インターネットの接続の制御や無効化を許可する」をチェックする。

※ 設定が正しく終わると、下の右図のように2つのアダプタが表示される。この例では、EMとE’Netの2つ。スクリーンショット 2013-03-19 19.39.11

③ Pocket WiFiのプライバシーセパレータを無効➡直接クライアント

概要
NASをgive upし、PC/Mac間はOSのファイル共有を使ってすますのであれば、イーサネットコンバータや無線ルーターを使わないで簡潔・簡単にネットワーク化が実現できる。ただし、この方式だとファイル共有によるオーバヘッドにより期待した回線スピードが得られない可能性が出て来る。無線ルーターを介在させる意味合いはここにある。

設定上の注意事項
1.LTEルーターのプライバシーセパレータを無効にする。
①ブラウザで192.168.1.1にアクセス
②プライバシーセパレータを無効にする

2. AirMac Expressとはクライアントモード(既存ネットワークへの追加)で接続する。これはイーサネットコンバータと同等機能になる。PCとAirMacExpressとの間は有線LAN接続と無線LAN接続との違いはあるが、クライアントモード(イーサネットコンバータ相当)になる。注意事項として、LAN DiskはAirMac Expressに有線接続してもつながらない(要継続確認)。

3. PC/Macの共有設定を有効にすることでファイル共有が可能

※ この方式の優位性は、 簡単なことである。また、文字通りシームレスに屋内・屋外でインターネットへの接続ができる。ただし、通信速度がどの程度出るかは確認が必要。セキュリティも要確認。少し使った印象では、LTEルーターの実効速度に依存するため、間に高速の無線ルーターを入れた場合に比べて少し遅い(転送レート144Mbps)。スクリーンショット 2013-03-19 9.17.17
※ AirMac Expressの有線LANをAP(WR9500N)に接続したままだと、Pocket WiFiとAirMac Expressの接続がうまくできない。AP(WR9500N)に接続してはいけない。
※ 接続例の図がまちがっていたので差し替えた(2013.5.8)

スクリーンショット 2013-03-19 9.09.30